Claude Code
2026.05.02

医療機関のセキュリティ基準をクリアするClaudeCode運用法|個人情報保護とAI利用の両立

医療機関のセキュリティ基準をクリアするClaude Code運用法|個人情報保護とAI活用を両立する実践ガイド

医療機関のセキュリティ基準をクリアするClaude Code運用法|個人情報保護とAI利用の両立

医療分野でのAI活用は急速に進んでいますが、その一方で個人情報保護医療情報の機密性に対する懸念も高まっています。特に、プログラミング支援や業務効率化に便利な「Claude Code」のようなAIツールを医療機関で使う場合、セキュリティ基準をいかに満たしながら運用するかが重要なテーマになります。

本記事では、「医療機関のセキュリティ基準をクリアするClaude Code運用法」というテーマで、個人情報保護とAI利用の両立を目指す医療機関・医療IT担当者に向けて、具体的なポイントと実践的な運用方法を詳しく解説します。


目次

1. 医療機関でAIを使う際に最初に押さえるべき前提

Claude Codeに限らず、AIツールを医療機関で利用する際には、まず次の3つの前提を押さえることが重要です。

1-1. 医療情報は「要配慮個人情報」である

日本の個人情報保護法では、病歴や診療情報などは要配慮個人情報に分類されます。これは、漏えいした場合に本人の不利益が特に大きい情報であり、通常より厳しい取り扱いが求められます。

  • 診療録(カルテ)の内容
  • 検査結果・診断名
  • 投薬内容、手術歴
  • 障害や難病に関する情報

これらは原則としてAIサービスへそのまま入力すべきではありません。Claude Code利用時も、まず「何を入力してよいか・いけないか」の線引きを明確にする必要があります。

1-2. 「クラウド利用」と「第三者提供」の線引きを理解する

AIツールはクラウド上で動作しています。医療機関側から見ると、外部の事業者に情報を送信して処理しているという構図になります。そのため、

  • 個人情報の第三者提供に当たるか
  • 委託に該当するか
  • 匿名加工情報・仮名加工情報として扱えるか

といった法的な位置づけを整理する必要があります。実務的には、利用規約・個人情報保護方針・データ処理契約(DPA)を確認し、院内の個人情報保護委員会や顧問弁護士と方針を統一することが重要です。

1-3. セキュリティ基準は「自院のルール+各種ガイドライン」で決まる

医療機関でのAI利用に関するセキュリティ基準は、次の要素の組み合わせで決まります。

  • 自院の情報セキュリティポリシー・個人情報保護規程
  • 厚生労働省や個人情報保護委員会のガイドライン
  • 医療情報システムの安全管理に関するガイドライン
  • 学会・医師会等が出しているAI・クラウド利用の指針

Claude Codeを導入・運用する前に、これらの規程と照らし合わせて許容できる利用範囲を定義することが不可欠です。


2. Claude Codeを医療現場で使うときの基本方針

Claude Codeは、自然言語による指示でコードを書いたり、ログを解析したりできる強力な開発支援AIです。ただし、医療機関で安全に利用するためには、いくつかの基本方針を定めておく必要があります。

2-1. 原則:個人を特定できる情報は入力しない

医療機関でのClaude Code利用における基本原則は、「個人識別性のある情報は入力しない」というルールです。具体的には、次のような情報をプロンプトや添付ファイルに含めないようにします。

  • 氏名、住所、電話番号、メールアドレス
  • 診察券番号、患者ID、保険証番号
  • 具体的な受診日時と組み合わさった病名
  • 小規模コミュニティで特定されうる属性情報(例:希少疾患+特定地域など)

コードレビューやログ解析を行う際も、事前にマスキングや匿名化を行ったデータのみを扱う運用とすることで、個人情報保護のリスクを大幅に下げることができます。

2-2. 匿名化・マスキングのルールを明文化する

「なんとなく」個人情報を消すのではなく、具体的なマスキングルールを策定しておくと、現場での運用が安定します。

  • 氏名 → 「患者A」「患者B」などの記号に置き換える
  • 患者ID → ランダムなダミーIDへ変換する
  • 住所 → 都道府県レベルまたは「関東地方」などの範囲表現にする
  • 日付 → 「2024年4月上旬」など曖昧な表現にするか、相対表現(受診日から◯日後)に変換

このルールをIT部門だけでなく、医師・看護師・事務スタッフなど、Claude Codeを使う可能性のあるすべての職種に共有することが重要です。

2-3. 機密レベルに応じた「利用可否マトリクス」を作る

医療情報はすべて一律に危険、というわけではありません。情報の機密レベルに応じて、Claude Codeに入力してよいかどうかを区分しておくと、現場で迷いにくくなります。

  • レベル1(公開情報):院内規程、マニュアルの雛形、オープンソースコードなど → Claude Codeへの入力許可
  • レベル2(社外秘だが個人特定性なし):システム構成図の一部、統計化されたログ、ダミーデータ → 匿名化を前提に利用可
  • レベル3(個人特定性あり):カルテ情報、具体的な検査結果、生データログ → Claude Codeへの入力禁止

このような「利用可否マトリクス」を院内ポリシーに含めることで、セキュリティ基準を守りながら実務的なAI活用が可能になります。


3. Claude Codeで実現できる医療機関向け利用シーン

では、セキュリティと個人情報保護のルールを守りつつ、Claude Codeをどのように活用できるのでしょうか。ここでは、医療機関でも比較的導入しやすい利用シーンを紹介します。

3-1. 医療システム開発・保守におけるコード支援

電子カルテ、予約システム、検査機器連携など、医療機関のITシステムは多岐にわたります。Claude Codeは、これらのシステム開発・保守において強力な支援ツールになります。

  • 院内システムのソースコードレビュー
  • バグ調査のためのログ解析(個人情報を含まない範囲)
  • HL7やFHIRなど医療標準規格との連携コードのサンプル生成
  • 定型的なバッチ処理やスクリプトの作成

この際も、生の本番データではなく、テストデータやダミーデータに置き換えたうえでClaude Codeに入力することが必須です。

3-2. マニュアル・手順書・研修資料の作成支援

医療現場では、院内規程やマニュアル類の整備が欠かせません。Claude Codeは、以下のような文書作成を効率化できます。

  • 情報セキュリティポリシーの雛形作成
  • 医療情報システムの操作マニュアルのドラフト作成
  • 職員向けAI利用ガイドラインのたたき台作成
  • eラーニング教材や研修スライドの構成案作成

これらは患者個人情報を含まない情報が中心となるため、比較的リスクが低く、安全にClaude Codeを活用しやすい領域です。

3-3. 統計・分析のためのコード作成(データは院内で保持)

診療データや検査データを分析して業務改善につなげたい場合も、Claude Codeをうまく活用できます。ただし、実データそのものを外部に送るのではなく、

  • RやPythonでの分析コードの書き方
  • 特定の統計手法の実装例
  • グラフ化や可視化のサンプルコード

といった「コード部分のみ」をClaude Codeに相談する形にとどめます。実際の患者データは、院内の安全な環境でのみ扱い、AIに渡さない運用が重要です。


4. 医療機関のセキュリティ基準を満たすClaude Code設定・運用のポイント

次に、医療機関のセキュリティ基準をクリアするために、Claude Codeの利用において押さえておきたい具体的な設定・運用のポイントを整理します。

4-1. アカウント管理とアクセス制御

まず重要なのは、Claude Codeを利用するアカウントの管理です。

  • 個人用のフリーアカウントではなく、組織管理可能なプランの利用を検討する
  • 利用者ごとにアカウントを発行し、誰がいつ何を実行したかを追跡できるようにする
  • 二要素認証(2FA)などを有効化し、不正ログインリスクを下げる
  • 退職・異動時にはアカウントを即時停止するフローを整える

これにより、AIツールの利用状況を把握・管理できるようになり、情報漏えい時の責任範囲と原因追及がしやすくなります。

4-2. ログ管理と監査体制

セキュリティ基準を満たすためには、Claude Codeの利用履歴を適切に記録・監査することが欠かせません。

  • プロンプト内容や実行結果を、可能な範囲でログとして保存する
  • 定期的にログを確認し、個人情報の誤入力がないかチェックする
  • 重大なインシデントが発生した場合の報告フローを整備する

医療機関のセキュリティ監査では、AIツールの利用状況を説明できることが求められるケースが増えています。Claude Codeの利用も例外ではないため、ログ管理体制を早めに整備しておくと安心です。

4-3. ネットワーク・端末側のセキュリティ対策

Claude Codeそのものの安全性だけでなく、アクセスに使用する端末やネットワークのセキュリティも重要です。

  • 院内ネットワークからのみClaude Codeにアクセスさせる制限
  • VPN経由での接続やIPアドレス制限
  • 端末の暗号化、スクリーンロック、マルウェア対策
  • ブラウザの拡張機能による情報漏えいリスクの管理

特に、ノートPCやタブレット端末からの利用では、端末紛失時のリスクも考慮しておく必要があります。

4-4. データ保持ポリシーの確認と契約

Claude Codeのようなクラウド型AIサービスでは、「入力したデータがどのように保存・利用されるか」が重要な論点です。

  • 学習データとして二次利用されるかどうか
  • データ保持期間と削除ポリシー
  • データセンターの所在国と適用される法制度
  • 第三者提供や下請け事業者の有無

これらの点を、利用規約やプライバシーポリシー、場合によっては個別契約(DPA)で確認し、自院の個人情報保護ポリシーと矛盾がないかチェックすることが大切です。


5. 院内ルール・教育で押さえるべきポイント

どれだけよいツールと設定を用意しても、最終的に情報漏えいリスクを左右するのは「人」です。Claude Codeを安全に運用するためには、院内ルールの整備と職員教育が欠かせません。

5-1. 「AI利用ガイドライン」を明文化する

Claude Codeを含むAIツールの利用について、以下のような項目を盛り込んだ院内ガイドラインを作成しましょう。

  • 利用目的(例:開発支援、文書作成支援など)
  • 入力してよい情報・いけない情報の具体例
  • 匿名化・マスキングのルール
  • 誤入力・インシデント発生時の報告手順
  • 利用ログの取得と監査に関する方針

このガイドラインを、就業規則や情報セキュリティポリシーとセットで周知することで、組織としての一貫したAI利用が実現できます。

5-2. 職種別の教育とハンズオン研修

医師、看護師、コメディカル、事務職、システム担当など、職種ごとにClaude Codeの利用シーンやリスクは異なります。そのため、

  • 職種ごとに想定される利用ケースの説明
  • NG例・OK例を用いた具体的な演習
  • 実際にClaude Codeを触ってみるハンズオン研修

などを通じて、現場感覚に即した教育を行うことが効果的です。「なんとなく怖いから使わない」ではなく、「リスクを理解したうえで正しく使う」文化を育てることが重要です。

5-3. 定期的な見直しと改善サイクル

AI技術や法制度は日々アップデートされています。Claude Codeの機能追加や、個人情報保護に関する新たなガイドラインが出るたびに、

  • 院内ルールやマニュアルの見直し
  • 職員への追加説明や再教育
  • パイロット利用部門からのフィードバック収集

といった改善サイクルを回すことで、常に最新のセキュリティ基準を満たしたAI運用を維持できます。


6. 個人情報保護とAI利用を両立させるための実践ステップ

最後に、これからClaude Codeを医療機関で導入・本格運用しようとしている方向けに、実践的なステップをまとめます。

ステップ1:現状のルールとシステムを棚卸しする

まず、自院の

  • 情報セキュリティポリシー
  • 個人情報保護規程
  • 医療情報システムの運用ルール

を確認し、AIツールに関する規定があるかどうかをチェックします。なければ、Claude Code導入を機に、AI利用に関する条項を追加することを検討しましょう。

ステップ2:パイロット部門を選定し、利用範囲を限定して試行

いきなり全院展開するのではなく、まずは

  • システム部門や情報企画部門
  • 研究部門や教育センター
  • 個人情報を直接扱わないバックオフィス部門

など、比較的リスクの低い部門からClaude Codeを試験導入します。その際、利用範囲・入力禁止事項・ログ取得方法を明確にしたうえで、運用上の課題を洗い出します。

ステップ3:院内ガイドラインと教育プログラムを整備

パイロット導入で得られた知見をもとに、前述のAI利用ガイドラインと職員向け教育プログラムを作成します。これにより、全院展開時にもルールに基づいた統一的な運用が可能になります。

ステップ4:本格展開と定期的なレビュー

ルールと教育が整ったら、対象部門を拡大しながらClaude Codeの本格展開を進めます。同時に、

  • 半年〜1年ごとの運用レビュー
  • インシデント・ヒヤリハットの振り返り
  • 法制度やガイドラインの変更点の反映

を行い、セキュリティと利便性のバランスを絶えず調整していきましょう。


まとめ:セキュリティ基準を守りながらClaude Codeを賢く活用する

医療機関におけるClaude Codeの運用では、「個人情報保護」と「AIによる業務効率化」の両立が求められます。そのためには、

  • 個人情報・医療情報の特性を正しく理解する
  • 匿名化・マスキングを前提に利用する
  • 医療機関のセキュリティ基準に即した設定と運用を行う
  • 院内ルールと教育を通じて、人為的ミスを最小化する

といったポイントを押さえることが不可欠です。

Claude Codeは、コード生成や解析だけでなく、文書作成支援や教育コンテンツ作成など、医療機関のさまざまな業務をサポートできるポテンシャルを持っています。適切なルール設計とセキュリティ対策を行えば、医療現場でも十分に安全かつ有効に活用できるツールです。

自院のセキュリティ基準を確認しつつ、まずはリスクの低い領域からClaude Codeの導入を検討してみてください。個人情報を守りながらAIの力を最大限に引き出すことが、これからの医療機関に求められる新しいスタンダードになっていくはずです。

本記事のテーマと関連する動画はこちらからご覧いただけます。
https://youtu.be/MDKJA5lqELo?si=bX5t8NNeb_ErYWPN

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