AIセキュリティ
2026.06.28

ChatGPTやCopilotを安全に使うためのAIセキュリティ対策まとめ

【決定版】ChatGPTやCopilotを安全に使うためのAIセキュリティ対策まとめ

【決定版】ChatGPTやCopilotを安全に使うためのAIセキュリティ対策まとめ

ChatGPTやGitHub Copilot、Microsoft Copilotなどの生成AIは、仕事の生産性を大きく高める一方で、情報漏えい・コンプライアンス違反・著作権侵害など、これまでにないリスクも生み出しています。
この記事では、これからAIを本格的に業務利用したい個人・企業向けに、「安全に」「安心して」ChatGPTやCopilotを活用するためのセキュリティ対策をわかりやすく整理して解説します。


目次

1. なぜAIにセキュリティ対策が必要なのか

まず、なぜChatGPTやCopilotにセキュリティ対策が必要なのか、その背景を整理します。

1-1. 生成AIは「なんでも答えてくれる」からこそ危険

生成AIは、入力された情報(プロンプト)をもとに高精度な回答を返してくれます。
その利便性ゆえに、つい次のような情報を入力してしまいがちです。

  • 顧客名・取引先名・個人名
  • 売上・利益・原価などの機密数値
  • 社内の未公開プロジェクトや戦略
  • ソースコードや設計書などの技術情報

こうした情報をそのままAIに入力すると「外部サービスへの情報提供」扱いとなり、
場合によっては契約違反・社内規程違反・個人情報保護法違反につながる可能性もあります。

1-2. AIは「覚えている」と誤解されがち

多くの人が誤解しやすいポイントとして、「AIに入れた情報は全部学習されて、他の人にも見られてしまうのでは?」という懸念があります。
実際の挙動はサービスによって異なり、

  • プロンプト(入力内容)を学習に利用しない設定ができるサービス
  • 企業向けプランではそもそも学習に使わないと明示されているサービス
  • 無償版ではデフォルトで学習に利用される可能性があるサービス

などさまざまです。
「なんとなく大丈夫そう」ではなく、利用規約・プライバシーポリシー・管理者向けドキュメントを確認した上で使うことが重要です。

1-3. 「シャドーAI利用」のリスク

社内で正式なルールやツール整備が遅れると、従業員が個人アカウントで勝手にChatGPTやCopilotを使い始める、いわゆるシャドーAI利用が発生します。
これは次のようなリスクを生みます。

  • 機密情報を個人アカウントから外部サービスに入力してしまう
  • 無料版や個人向けプランを利用し、企業向けの保護が効いていない
  • 生成された情報の検証が不十分なまま、社外資料・メールに利用してしまう

こうしたリスクを避けるためにも、組織としてのAI利用ポリシー・ガイドラインの整備が不可欠です。


2. ChatGPT・Copilot利用時に絶対守りたい基本ルール

ここからは、実際にChatGPTやCopilotを使うときに、最低限守っておきたい基本ルールを整理します。
個人利用でも、企業利用でも共通して重要なポイントです。

2-1. 入力してはいけない情報を明確にする

AIに入力してはいけない情報の代表例は次の通りです。

  • 個人情報
    住所・電話番号・メールアドレス・マイナンバー・顔写真・健康情報など、個人が特定できる情報。
  • 機密情報・営業秘密
    未公開の売上・利益、価格戦略、仕入先リスト、顧客名簿、提携交渉中の情報など。
  • 社外秘・開発中情報
    新規サービスの仕様書、未発表の機能、セキュリティ設計、脆弱性情報など。
  • 契約で守秘義務が課されている情報
    NDA(秘密保持契約)で保護されている他社情報、共同研究の内容など。
  • ソースコードやアルゴリズム(特に重要なコア部分)
    競争優位となる独自アルゴリズムや秘密情報を含むコードは原則入力しない。

これらを避けるために、プロンプトを作る段階で「特定されない形」に抽象化・匿名化する工夫が重要です。

2-2. 匿名化・マスキングの具体例

どう抽象化すれば安全性を高められるのか、具体例で見てみます。

  • 実在の企業名・顧客名を書かない
    × 「A株式会社との取引条件の見直しメールを書いて」
    ○ 「取引先企業への取引条件見直しの依頼メールの文面例を作って」
  • 具体的な数値をぼかす
    × 「今期売上が1億2,345万円で、昨年比120%成長です」
    ○ 「今期売上が昨年比およそ120%成長しています」
  • 部署名や組織名を汎用化する
    × 「新宿本社の経理部と大阪支社の営業部の連携が悪い」
    ○ 「本社の管理部門と地方拠点の営業部門の連携に課題がある」

このように、固有名詞と具体的な数値をAIに渡さない工夫をするだけでも、情報漏えいリスクは大きく減らせます。

2-3. 生成された回答は必ず「検証」する

ChatGPTやCopilotは非常に自然で信頼できそうな文章やコードを生成します。しかし、

  • 事実と異なる情報を「もっともらしく」書いてしまう
  • 古い情報や一部の事例だけをもとに回答してしまう
  • コードや設定サンプルにセキュリティ上の弱点が含まれる

といった問題が起きる可能性も常にあります。
そのため、AIの出力は「そのまま使う」のではなく、必ず人間がチェックしてから利用することが重要です。

特に次のような用途では、専門家のレビューを必須にすべきです。

  • 法務・契約関連の文書案
  • 個人情報保護・セキュリティポリシー
  • 社外に出すプレスリリースや公式発表
  • 本番環境で動かすプログラムコード

3. ChatGPTを安全に使うための具体的な設定と運用

ここでは代表的な生成AIであるChatGPTを例に、安全に利用するためのポイントを解説します。(各サービスの仕様は変わる可能性があるため、最新情報は公式ドキュメントを確認してください)

3-1. アカウント種別とプランの選び方

ChatGPTには、個人向け・チーム向け・企業向けなど複数のプランがあります。
業務利用する場合は、原則として企業向けプランの利用を検討するべきです。

一般的に企業向けプランでは、

  • 入力データを学習に利用しないことが明示されている
  • 管理者が利用状況をモニタリング・制御できる
  • シングルサインオン(SSO)などの認証連携が可能

といった、セキュリティ面での利点があります。
逆に、個人向けの無料版は「試す」には便利ですが、機密情報を扱う業務利用には適さないと考えるべきです。

3-2. データ共有・履歴の扱い

ChatGPTなどのチャット型AIは、会話履歴を保存して後から参照できます。
便利である一方、履歴に機密情報が残り続けてしまうというリスクがあります。

対策としては、

  • 履歴を残したくない場合は「履歴オフ」機能があれば有効にする
  • 機密性が高い話題は、そもそもAIに入力しない
  • 不必要になったチャットは削除しておく

といった運用ルールを決めておくことが重要です。

3-3. プラグイン・外部連携のリスク

ChatGPTには、他社サービスと連携するプラグインや、外部APIと連携する機能があります。
これらは非常に便利ですが、連携先に情報が渡ることで、データの流通経路が複雑になり、管理が難しくなるという側面もあります。

セキュリティ対策としては、

  • 業務で利用するプラグインを最小限に絞る
  • 利用するプラグインの提供元・利用規約・プライバシーポリシーを確認する
  • 不要になったプラグイン・連携は無効化・削除する

といった点を徹底することが重要です。


4. Copilot(GitHub Copilot・Microsoft Copilot)の安全な活用方法

プログラミングやOffice業務で人気の高いCopilot系サービスにも、特有のセキュリティリスクがあります。
ここでは代表的なGitHub CopilotやMicrosoft Copilotを例に、注意点と対策を見ていきます。

4-1. GitHub Copilot利用時の注意点

GitHub Copilotは、コード補完や関数提案など、開発効率を大きく向上させますが、次のようなリスクがあります。

  • 生成コードにライセンス的な問題が含まれる可能性
  • セキュリティ上の脆弱性を含むコードが提案される可能性
  • 開発中のソースコード断片がサービス側に送信されることによる情報漏えいリスク

対策としては、

  • 企業・組織向けのCopilotプランを利用し、データの取り扱いポリシーを確認する
  • セキュリティレビューやコードレビューのプロセスをAI利用を前提に見直す
  • 機密性の高いプロジェクトでは、Copilotの提案範囲を制限する、あるいは利用を控える

といった運用ルールが有効です。

4-2. Microsoft Copilot(Office・Windows)の注意点

Microsoft 365 や Windows に統合されたCopilotは、メールの要約、資料作成、会議の議事録作成などに活用できます。
これらは社内データ(SharePoint, OneDrive, Teamsなど)と連携して動作するため、権限設定や情報管理が極めて重要です。

安全に利用するためには、

  • SharePointやOneDriveのアクセス権限を最小限に保つ
  • 機密度に応じた情報ラベル(機密区分)の設定を行う
  • Copilotがアクセスできる範囲を管理者側で把握し、定期的に見直す

といったガバナンスが重要です。
特に「過去に誤ってアップロードしてしまった資料」などがCopilot経由で参照されないよう、データクレンジングと棚卸しもあわせて進めるべきでしょう。


5. 組織で整えるべきAIセキュリティポリシー

個人の意識だけでは、AIセキュリティ対策には限界があります。
企業や組織として、AI利用に関するルールやガイドラインを明文化することが重要です。

5-1. AI利用ポリシーの主な項目

AI利用ポリシーには、少なくとも次のような内容を含めるとよいでしょう。

  • 利用目的と対象業務
    どのような業務でAI利用を推奨・許可するか、逆にどの業務では禁止するか。
  • 入力してよい情報・いけない情報
    個人情報・機密情報・社外秘情報などの扱い方を明示する。
  • 利用可能なサービス・アカウント種別
    公式に認めるサービス(例:企業契約済みのChatGPT Enterprise、Microsoft Copilotなど)を明示し、
    個人アカウントでの業務利用を禁止するなどのルールを定める。
  • 生成物の取り扱い
    AIが生成した文章・コード・画像などを利用する際の確認プロセス、著作権・ライセンスへの留意点を記載する。
  • ログ・監査とインシデント対応
    利用履歴の取得と保存期間、不正利用や情報漏えいが疑われる場合の報告窓口・対応フローを定める。

5-2. 教育・トレーニングの重要性

ポリシーを作っただけでは不十分で、従業員への教育・トレーニングが不可欠です。
具体的には、

  • 新入社員研修や定期セキュリティ研修でAIセキュリティをテーマに扱う
  • 「よくあるNG例」「安全なプロンプト例」を社内ポータルにまとめる
  • 実際にAIを使いながら、セキュリティを意識した使い方を体験してもらう

といった取り組みが有効です。
特に生成AIは日々進化しているため、継続的なアップデートと再教育も重要になります。


6. 個人でAIを使うときに気をつけるべきポイント

ここまで組織利用を中心に解説してきましたが、個人でChatGPTやCopilotを使う場合の注意点も整理しておきます。

6-1. 個人情報の扱いは「自分のもの」でも慎重に

自分自身の情報であっても、安易にAIに入力するのは避けるべきです。
例えば、

  • 住所・電話番号・勤務先・家族構成
  • 病歴・健康状態・給与などのセンシティブな情報
  • SNSアカウント名やログインIDに紐づく情報

などは、一度インターネット上に出てしまうと完全に削除することが難しい情報です。
AIに相談したい内容は、できる限り匿名化・抽象化して伝えるよう意識しましょう。

6-2. 認証情報・パスワードは絶対に入力しない

当然のことですが、

  • パスワードや2要素認証コード
  • APIキーやトークン
  • クレジットカード番号やセキュリティコード

といった認証情報をAIに入力してはいけません。
「このエラーが出るので、設定画面のスクリーンショットを見てほしい」といったケースでも、
画像にログイン情報や個人情報が映り込んでいないか十分に確認する必要があります。

6-3. 無料ツールや拡張機能のインストールに注意

ブラウザ拡張機能や、ChatGPTと連携する外部ツールの中には、過剰な権限を要求するものも存在します。
インストール前に、

  • 開発元が信頼できるか
  • どのような権限(閲覧・編集権限など)を要求しているか
  • レビューや評価、セキュリティに関する情報はどうか

を確認し、不必要な権限を持つツールの利用は避けるようにしましょう。


7. AIセキュリティ対策をしながら賢く活用するコツ

最後に、セキュリティを意識しつつ、ChatGPTやCopilotを最大限活用するためのポイントをまとめます。

7-1. 「実データ」ではなく「型」をAIに学ばせる

AIに教えるべきなのは、機密情報を含む具体的な内容ではなく、構造やパターン(型)です。
例えば、

  • 「クレーム対応メールのテンプレート」を作ってもらい、実際の顧客情報は後から人間が埋める
  • 「契約書レビュー時のチェックリスト」だけAIに作らせ、実際の契約書は人間が確認する
  • 「バグ報告のフォーマット」をAIに考えてもらい、具体的な不具合内容は後で記入する

といった使い方であれば、機密情報を守りながら生産性を高めることができます。

7-2. セキュリティ要件をプロンプトに含める

プロンプトの中に、あらかじめセキュリティ要件・コンプライアンス要件を書き込んでおくのも有効です。

例:

あなたは情報セキュリティを重視する企業の担当者です。
以下の条件を守りながら回答してください。
- 個人情報を含む具体例は出さない
- 機密情報を想定した表現は避ける
- 一般的なベストプラクティスに基づいて説明する

このように前提条件を明示することで、AI側にもセキュリティを意識させた回答を促すことができます。

7-3. 定期的にルールと設定を見直す

AIサービスは頻繁にアップデートされ、新機能や仕様変更が加えられます。
そのため、

  • 半年〜1年に一度は、AI利用ポリシーと各サービスの設定を見直す
  • 新しい機能(例:新しいプラグインや連携機能)が追加されたときは、その影響を評価する
  • 利用者からのフィードバックを収集し、ルールや教育内容を改善する

といった形で、継続的にAIセキュリティ体制をアップデートしていくことが大切です。


まとめ:AIセキュリティ対策で「安全に」「賢く」ChatGPTとCopilotを使いこなす

ChatGPTやCopilotは、正しく使えば仕事の生産性を大きく向上させる強力なツールです。一方で、何も考えずに使うと、情報漏えいやコンプライアンス違反といった重大なリスクを招きかねません。

この記事で解説したポイントをおさらいすると、

  • 個人情報・機密情報・社外秘情報は原則としてAIに入力しない
  • プロンプト作成時に匿名化・抽象化・マスキングを徹底する
  • ChatGPTやCopilotのプラン・設定・データ取り扱いポリシーを確認する
  • 生成された文章やコードは、必ず人間が検証・レビューしてから利用する
  • 組織としてAI利用ポリシーと教育を整え、シャドーAI利用を防ぐ
  • 「実データ」ではなく「型」や「テンプレート」をAIに作らせる使い方を心がける

といった点が重要になります。

AIセキュリティ対策は、「AIを怖がって使わない」ためのものではなく、AIを安心してフル活用するための基盤づくりです。
適切なルールと設定、そして利用者のリテラシーを高めることで、ChatGPTやCopilotを安全かつ効率的に活用していきましょう。

本記事の内容をより深く理解したい方は、以下の動画も参考にしてください。
https://youtu.be/MDKJA5lqELo?si=bX5t8NNeb_ErYWPN

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